`……´


クラスメートは黙り混み、誰一人答えようとしなかった


「――……っ、ヒック…グス」


その時に誰かのすすり泣く声が聞こえた


「皆、は…何も、分かって…ないですね」


泣いていたのは緋麻里


床に横になったまま両手で顔を覆っている


「貴方達の、言葉で…翼ちゃんが、どれほど、傷付いたか、わかっているんですか……?」


「……さぁ? そういう風には見えなかったけど」


派手目な女子生徒が視線をそらしながらぶっきらぼうに言い返した


「翼ちゃんは、決して人前で、弱さは見せません。 今までの貴方達の…嫌がらせを気にしない"フリ"を、してたんです」


……"フリ"?


そういえば、はじめて会ったときは翼ちゃんはどこか自分を偽っていたように見えた


無表情か不機嫌か…最初の頃はこの表情しか見てなかったかも


時々、目の色が悲しそうに変わっていた気がする