「……われ、終われ」
私の小さな声は簡単にかき消された
「や、やめんか!」
「翼ちゃんをいじめないでよ!」
颯一と翡麻里が必死に止めに入ろうとしているがムダだ
「終われ、終われ、終われ……」
コールが終わらない限り、私の足は動かないだろう
胸が、心が痛い
また、ヒビが入ったのかな?
お願いだからこれ以上は壊さないで
治りかけていたのに…また、ボロボロになる
ガララッ
……そんな時に誰かが教室のドアを開けた
「お、お前ら何してんだよ!!」
悲鳴に近い叫び声をあげたのは浩輔だ
騒がしかった教室内がシンッとなる
「こ、浩輔様…これは……」
クラスメートは雛菊幹部の登場に焦り出した
「翼、大丈夫?」
浩輔が心配そうに私に近づいた
――声が収まったなら歩けるね
「……えぇ」
私は浩輔を見てニイッと笑った