「ほ、本当に送っちゃうよぉ? まどか、優しいから謝れってくれればやめてあげるよぉ?」


やめて"あげる"、か


「……送れば? ほら、さっさとしなさいよ」


明らかに挑発なんだけど、言いたい放題のまどかにはもう限界だ


その時に私の肩に誰かの手が乗った


「それは、あかんで」


もう一つの手がまどかのスマホを取って操作する


「はい、削除ー!」


ピロンッ、と音が鳴った


「……何でここに富田と新崎がいるの?」


全く気がつかなかった


「あまりにも、遅かったから」


「せやで。 高岸がおらんと盛り上がらへんでー」


視線を二人のもう片手に注目して見るも何も手にしてない


「あ、あれぇ、富田くん。 どぉしたのぉ?」


まどかがニコッと笑う


内心では舌打ちして毒づいているだろう


一応、新崎もいるんだが完全に無視しているようだ