強がりな元姫様



「乗ってないけど。 ごめんね、皆の思い通りにならないで」


「このっ!」


女子生徒が顔を真っ赤にし手を振り上げた


「はい、ストーップ」


その言葉に合わせて、後ろから塁が手を掴む


「い、五十嵐君!?」


驚きの余り、女子生徒の声が裏返っていた


「揉め事を起こして困るのは…キミだよね?」


「……っ」


有無を言わせないような空気に怯み、私の襟首から手を離した


「翼ちゃん、大丈夫ですか?」


「……えぇ」


未だに敵対視する何人かのクラスメートを見て、息を吐いた


「……っ、ホントアンタってなんなの? 冷めてるくせに人が集まるの!」


「……え?」


「それに人質にされてたじゃん! あれは計算して、自分から人質になったんじゃないの!?」


「なっ!」


どうして、そんな考えが出るわけ?


緋麻里が唇を噛み締める


両手を広げて、私の前に立った