「今、俺達がやる事は二つ。 白神の存在を示し続ける事と総長のイスを守る事。 それができればきっと星夜も責めはしない。

勿論、翼の事もね」


イスから立ち上がり、ドアに向かう


「いつでもいいから倉庫にも顔を見せてね。 皆、寂しがっているから」


「!」


振り向いた時には、塁は部屋を出た後だった


「……」


追いかけようにも言葉が見つからず、結局は座り直した


「星夜。 皆、来てるよ? 目を覚ますのを待ってるんだよ」


手を取り、そっと重ね合わせる


「……星夜の声が聞きたい」


呟いて、静かに涙を流した


私は面会時間ギリギリまで手を重ねたままでいた


「また、来るね」


時間になるとイスから立ち、ドアの前に立つ


「……ごめんね」


そう言ってから、個室を後にした


そして今日も泣きながら新崎家に足を急がせた