病院に着き、二階の奥にある個室を開けると既に先客がいた


「あ、翼」


「「「「「翼さん、こんにちは!」」」」」


「こんにちは。 これ、皆で分けて」


下っ端五人と孝明だ


孝明に病院に来る途中で寄った店で買った数種類の菓子を渡した


「奏汰から聞いてた。 いつもありがとう」


「気にしないでいいよ」


笑ってから丸イスに座る


毎日来ても星夜は目を覚ます様子はない


「翼さん、今日は倉庫行きませんか?」


「……ごめん、遠慮しとく」


「…………そうですか」


私は抗争が終わってから倉庫に行かなかった


否、行けくなった


「翼を責める人なんて誰もいないよ」


そう言われたが苦しかった


私が人質にならなければ星夜は撃たれずに済んだかもしれないのに……


皆、優しすぎる


コンコンッ


「今日もいらっしゃい!」


顔を見せたのは塁だった