強がりな元姫様



「――今日の翼ちゃんはなんだかぎこちないね」


私は今、晴羅さんの代理をしている


「……何かあったの?」


「!」


そう言われ、思わず視線をそらした


「つーちゃん! 今日はクールにいこう!」


カメラマンの隣に立っていた晴羅さんは言った


「髪を軽くかきあげてー、軽く背をそらしてー」


言われるがままに動いた


パシャッ


「お、いいね!」


カメラマンさんの好評を貰い、その後の撮影は無事に終了した


「……晴羅さん、すみません」


「いいって! 頼んだのあたしなんだから」


笑っていたが、スッと表情を戻した


「この後、病院に行くんだよね」


「……はい」


明日から学校が再開する


正直、不安だった


「……あの、バカ弟。 目を覚まし次第ひっぱたいてやるんだから」


低く呟いて舌打ちした


「晴羅さん?」


私はその真意が聞けないまま、晴羅さんと別れて病院に足を運ぶ