強がりな元姫様



「星夜が意識を失って…病院に着いてすぐに手術室に運ばれたよ。 成功するかは彼次第って……」


「……!」


「俺はパニクって何も出来なかった。 正直、怖いんだ。 急に大事な仲間がいなくなるんじゃないかって……」


祈るように、両手を強く握りしめていた


手の隙間から乾いた血が付いているのが見えた


「星夜なら、きっと大丈夫。 私は、手術が成功するのを信じてるから」


誰も信じないでどうするの


赤いランプがついたままの手術室を見上げる


「……そうだね。 俯いてたら星夜に顔向けできないや」


頭をあげてニッコリと笑った


その後、颯一を先頭に緋麻里、翡麻里、炎舞の四人が走ってくる


「どうや? 星夜は……」


「まだだけど、大丈夫。 医師達の腕を信じて?」


「塁が言うなら……」


待ち続けて数十分、鸞と雛菊の四人が来た


ランプの灯りはまだ消えていない