強がりな元姫様



ピシッ


「っ!」


颯一にデコピンをされた


「アホか! 焦る気持ちは分かるけどな、事故を起こしてもうたら元も子もないないんやで!」


「!」


颯一は怒っていた


「氷雨さんもやで! 標識がないからといって止まらんと今みたいな事が起こるんや!!」


「……以後、気を付ける」


「わかったんならいい。 氷雨さん、翼を乗せて先に行って下さい」


「わかった。 三人は時雨達が来るまで待っていてくれ」


「はい」


「姫様、これ被って発進する際は俺にしがみついていて」


「……はい?」


バイクに乗せられ、ヘルメットを渡された


しがみつくって…どうするの?


「姫様! 裾を掴んでたら走行時に頭から落ちるよ? こうするの」


氷雨さんが呆れながら手を掴み、腰に回した


「氷雨さん! 安全運転してください!」


追い付いてきた翡麻里が叫んだ