「緋麻里! 翼!」
振り向くと血相を変えて走ってくる颯一と翡麻里
その姿に尋常ではない事が読み取れる
颯一が私の手を掴むやそのまま走り出した
「なっ!? 翡麻里、何があったんですか!?」
「話は後! とにかく病院に急ぐよ!」
説明を求めようとする緋麻里を翡麻里が後ろから押して走らせようとしていた
「塁からな……星夜が緊急オペに入っとるんや」
「!?」
「病院に着いた時には危険な状態……」
そこまで聞いて私は颯一の手を振り払い、追い越した
「翼!!」
「「翼ちゃん!!」」
後ろから聞こえてきたがそれでも走り続ける
危険な状態…何それ
星夜はどうなるの?
嫌な予感がぐるぐると頭の中で回って何も考えられなかった
もうすぐで十字路に差し掛かる
何も考えられなくなった私は止まらずにそのまま走りきろうとして十字路に入り込んだ



