強がりな元姫様



「狙われる身なのに友人とカラオケなんていいご身分だね…まどか」


私は三人に背を向けたまま言い返す


一刻も早く立ち去りたい


「……ご友人もいないのになぜグラスを二つ持っているのぉ?」


「……まさか、あの地味男と来ているの!?」


「やだー!」


三人は笑い出す


"地味男=新崎"の他にもいるんですけどね


「……だったら?」


口角を上げて後ろを見た


三人は目を見開いたが


「そっかぁ。 唯一のオトモダチだもんねぇ」


「どんな手を使って味方につけたのかしら?」


……コイツラ


私が上に出ないと思って言いたい放題だ


「翼ちゃんに言っておくけどぉ、一人側につけたってどうにもならないんだよぉ?」


ニコニコ笑いながらまどかが近づいてくる


「どうせ、翼ちゃんが学校に居場所なんてないんだからぁ」


そんなの…自分がよくわかっているよ