強がりな元姫様



「翼さんと白神の皆さんこんにちは。 星夜君と塁君は?」


「今…病院だと思います」


「そうか。 座っている子が姫井まどかさんでいいんだね?」


「……はい」


光さんはまどかの方を向いた


「姫井まどかさん。 話を聞きたいので署までご同行願えますか?」


「……」


まどか何も言わずに立ち上がった


「……生まれてはじめて叩かれた。 こんなに痛いなんて知らなかった」


「ごめんなさい。 叩きすぎたわ」


頬を押さえたまま、まどかは私を見る


「あんたが名前言う度に、自分がどれだけの人を苦しめてしまったんだろうって思った。 その中に、自殺した子もいたの。

罪悪感なんてなかったの。 死んでバカみたいだって思ってしまった。 そう思ってしまった昔の自分が許せない……!」


泣くのを堪えてまどかは叫んだ


「まどか、謝っても許されない事をしてしまった。 今更気づいて後悔しても遅いのに!」


切れそうになる程、強く噛み締める