「救急車に乗せるから。 三人は翼といてね。 後、彼女の見張り」
塁は現姫を指差した
「わかりました!」
頷いたのを確認して俺の腕を肩にかけて歩き出した
「……ホント、無茶するよね。 こんなになってさ」
「そうだな、悪い」
引きずられながら塁の言葉に相槌を打っていく
「鸞が救急車呼んだから。 病院に着いたら完治するまで入院させる」
「……どれくらいだ、それ?」
「数週間は覚悟してよね」
「……」
俺は声を出さずに口角をあげる
「星夜、目だけは閉じないでよ」
声をあげて笑う程の力が残っていないと気づいたのか塁の真剣な声が耳に入る
「………わかっている」
けど、視界が霞んできた
「……元気になって、翼に言うんでしょ?」
「!」
「気づかないと思ってた? 緋麻里も颯一も翡麻里も知ってるんだからね」
そう言ってクスクスと笑った



