強がりな元姫様



「翼ちゃん、あたしも行きます!」


「いいよ、緋麻里は歌ってな。 何がいい?」


「……オレンジで」


「わかった」


緋麻里の分のコップを持って個室を出た


ドリンクバーは入り口付近にあったはずだから迷う事ない


オレンジジュースをガラスのコップに入れる


私はアイスティーを選ぶ


「「キャハハハッ!」」


……うわ


来た方向の反対側から不快な笑い声が聞こえた


だんだんと近づいて…ここに来ようとしているような気もする


そして、


「「「……」」」


対面


何で会いたくない奴に会ってしまうんだろうか


向こうも同じ考えなのか嫌な顔をしている


……嫌だね


溜め息を抑えてその場を離れようとした


「あれぇ、翼ちゃんもここに来るんですかぁ」


不快感を増させるような猫なで声を発するお姫様


ケバい家来を二人つけている