「…………終わったぞ。 翼」


「ふっ……っうっ」


首に手を回して泣きじゃくる彼女の頭をそっと撫でる


「「星夜!」」


「っ!?」


背中に二つの重みがのし掛かる


「アカンわ! 心臓止まるかと思ったわ!!」


「無事でよかったよー!」


わんわん泣きながら颯一と翡麻里は叫ぶ


「もー! 星夜はケガしてるんですよ!?」


「そこまでにしてあげて」


緋麻里は翡麻里を、塁は颯一を俺から引き剥がした


「ほら、肩貸してあげる」


「あ、あぁ……」


動こうにも翼が抱きついたままだ


「!? あ、ごめんなさい!!」


ハッとしたように離れる


「いや、いいんだ」


目尻の涙を掬い、俺は小さく笑った


笑って力が抜けた


「! 星夜!?」


咄嗟に塁に掴まれたため倒れる事はなかった


「……悪い、俺はここまでだ。 動けねぇ」


「そんなのいいよ」


塁はニッコリと笑う