強がりな元姫様



「でもっ!」


「姫を守れずに何が総長だ。 俺の考えが甘かったせいで翼を危険な目に遭わせた。 ……謝るのは俺の方だよ。

後、個人的に女を救えずに男としてのプライド? まぁ、意地が許せないんだ。

だから、辛いとは思うが最後に見ててくれないか?」


「……」


翼は涙を流しながらも俺からそらさずに見つめ続ける


「うん!」


涙を袖で拭い、強い眼差しでそう言いのけた


ありがとう…自然と笑みがこぼれた


「……谷口組の若頭、終わりにしよう」


「ハハハッ! 言われなくとともわかってるわ!」


正直いつも通りに動けるか心配だ


けど、相手を"本気"で殴れる気力は残っている


後は……


四人に目を向けた


塁はハッとした表情になり、何かを言おうと口を開いたが押しとどまる


閉じていた目を開き、


「死なない程度にぶっ飛ばせ!!」


その言葉を合図に飛び出した