強がりな元姫様



「……さて、約束はちゃんと守って貰わないとな」


立ち上がり、若頭を見据える


「っ! あぁ、お望み通り解放してやる!!」


若頭が青ざめたままニヤッと笑い、そのまま翼を横に突き飛ばした


「うっ!!」


力が強かったのか勢いよく地面に転がる


「! つば……」


一瞬、翼に気を取られてしまった


ダァンッ!!


響いた銃声


すぐに激しい痛みが脇腹から走る


脇腹に触れた掌には赤


すぐに俺は撃たれたんだと悟った


「帝!!」


ダァンッ!!


「一歩でも動くんじゃねぇぞ」


「!?」


塁の足元ギリギリに弾が当たった


「お前らの総長が撃たれる姿を指をくわえて見ているんだな」


「「「「!?」」」」


「……まだ、終わりじゃねぇぞ。 すぐに楽になると思うなよ」


ダァンッダァンッ!!


「ぐっ!!」


二発の弾丸がそれぞれ足と腕にくらう


目の前で血飛沫があがった