強がりな元姫様



「こんな奴に頭を下げる意味なんてない。 余計に付け上がるだけよ」


立ち位置が変わった


なのに、俺には顔を向けてくれないのか


「あ、あんな奴らに帝の辱しめを見せるわけにはいきません。 あたしがします!」


「蝶がする必要ない。 ここは副総長の俺が……」


「あかん! 俺がやる!」


「僕が!」


緋麻里、塁、颯一、翡麻里が我先にと言い合っている


「自らやりたがるとか、オメデタイチームなんだね」


「本当に伝説なのぉ?」


四人を遠目にバカにし始める若頭と現姫


聞いているうちに疑問に思ってきた


周りを見ると雛菊は組員との戦闘に苦戦していて、鸞に限ってはスマホを片手に遠くから様子見だ


警察だけではなく、救急車も呼んでくれてるとありがたいんだが


「……頭を下げれば、解放すると言ったな」


俺はその場で地面に正座をする