ジャーン...


三曲目を歌い終わり見るとポカンと呆けている


「……すげぇ」


「歌上手いんだね! 高音キーすごかった!」


富田と飯島が感極まった顔をしている


「得点もほぼ満点だし、久々に見たよー」


五十嵐が未だに拍手をしていた


「……どうも」


マイクを置いて飲み物を口にする


「よっしゃ、次は俺が歌ったるでー!」


「あぁ、ズルい!」


「順番にだよー」


早くもマイク争奪戦が始まっていた


「新崎は歌わないの?」


「見ているだけで充分」


「……そう」


富田が歌っているのを聴いていたが、


「下っ手くそー!」


「音程ずれてる」


「翼ちゃんの後には歌わないで下さいよ!」


「なんやねん!? そこまで言わんといてや!」


……確かに、見ているだけで楽しめそうね


私は空になったコップを手に立ち上がった