強がりな元姫様



「帝ぉ!! 後悔は今するんじゃねぇ!!!」


航さんの怒鳴り声


「テメェ、総長だろうが! お前が引っ張らずに白神は誰が引っ張るんだよ!!」


「!?」


この距離からも見える


航さんの肩から止まる様子なく流れている赤いモノが……


「航さん、撃たれたんですかっ!?」


「こんなの掠り傷だ! 気にするな!!」


「んな訳ないやろ! 思い切り撃たれとるやないか!!」


「俺の事はいい!!」


「よくないよ!!」


「うるせぇ!! だから、俺の事はいいんだよ!!」


叫びに叫んで航さんはふらついた


「す、すまん、翼が連れてかれた! 俺もこんなんじゃ追うのもできねぇ。 だからな、帝が翼を助けろ! お前にしかできないんだ!!」


「……っ、わかりました!!」


答えると航さんは笑う


先代の言葉で俺の中の後悔が薄れていった