「がっ!!」


ドサッ


たった今刃物を振り回してきた組員を殴り飛ばした


パチパチパチッ


「一人で何人もの相手を倒すなんて、さっすがぁ!!」


「……ふざけている暇があったら目の前の敵に集中しろ、鸞」


お気楽に拍手を送っているこの男に一発は許せるだろうか


「今は舜だよ。 ま、終わったら雛菊の下っ端達に全て言うけど」


「……炎舞の様子は?」


「今は向こうも戦闘中。 けど、すぐに吉報として来ると思うよ」


炎舞には辻岡組と谷口組の残りを任せている


少ない人数を半々に別れてやればすぐに一掃できるだろう


「話は終わり? なら、俺は警察を呼び出してくる」


足元を気にしながら鸞は俺から離れていった


「……」


組の残党も一割となってきた


これで終わればいいんだが何だか胸騒ぎがする


ずっと違和感を感じていた


なぜ、谷口組の若頭がいない?