「――さっさと吐けよ。 肩だけでは済まさないぞ?」
「……」
……私が姿を見せれば、良かったの?
そもそも私が隠れなければ理事長は撃たれずに済んだんだ
私のせいだ
これ以上、隠れるなんて無理よ
震える足をなんとか動かして理事長席の下から出て、立ち上がる
「私なら、ここよ」
「!? 高岸「理事長は関係ないわ。 撃つなら私を撃てばいい」」
肩を押さえている手の隙間から血が流れていた
「こんなの、掠り傷だ」
そう言って笑っていたけれど笑顔が固かった
理事長の姿を見て胸が傷んだ
「へぇ、割りと強気なんだね。 いや、単なる強がりなのかな?」
谷口組の若頭はニヤリと笑い、銃を私に向けた
私は必死に平静を装い、睨み付ける
「――谷口組の若頭さぁん。 その子にはもっと苦しんで貰うんだからぁ撃っちゃダメだよぉ」
入口に目を向けると元凶のまどかがいた