強がりな元姫様



「……」


震える私を理事長席の下へ押し込んだ


「俺がいいって言うまで出てくるなよ?」


私にしか聞こえない声で言ってその場を離れる


気付かれるのが怖く、私は息を潜める


「……全然知らねぇ奴を易々と入れるわけにはいかないからな」


「そうですか。 では、無理にでも入りましょうか」


・・・カチャッ


金属がぶつかる音が聞こえた


「! お前、まさか……」


ダァンッ!!


声を遮るように響いた銃声


キィッ、と床が軋む音が耳に届いた


「おや、彼女はどこに?」


「……お前の言う彼女なんて知らねぇよ。 どこで身を潜めていた、谷口組の若頭」


「僕をご存知で。 さすが、かの伝説と称されるチームの元総長ですね」


ダァンッ!!


「ぐっ!!」


「――!?」


理事長はどこかを撃たれた?


悲鳴をあげそうになる声を両手で使い、必死に押さえた