「何を歌えばいいの」


「好きな曲だよ」


好きな曲?


「そんなの…ない」


「へ?」


「音楽なんて、ただ暇を潰すだけに聴いてたから。 好きなのなんてない」


それに関わらず全てにおいて興味なんて持った事もない


「好きなのじゃなくてもいいんだよ。 よく聞いている曲とか」


五十嵐の言葉に私は俯く


「何でもいいよ。 歌えるから」


「だったら!」


緋麻里が三曲入れた


「あたしリクエストしちゃっていいですか?」


「リクエスト?」


緋麻里がニッコリ笑って


「今入れたの歌って欲しいです! 残り二つはあたしと歌いましょう!」


「緋麻里が歌うのって言ったら…アレか?」


「アレって?」


──♪


鳴りだした音楽


画面に映った曲名


それは某電子のアイドルが歌っていたものだった


「……やっぱりな」


新崎が呆れていた