強がりな元姫様



「……っ、ハァハァ」


途端にプハッと吐き出し、肩で息をしだす疾風


彼の周りを黒神の数人が集まる


「……っ、ありがとうございました。 勝てなくても良かったんです。 貴方と一度、戦、いたかっ……た」


「!」


「疾風!?」


ガクリと後ろに倒れた


運良く仲間に受けとめられ、地面に激突する事はなかった


「……塁、あれは」


「酸欠、だね」


突然倒れたせいでパニックになりかけている一人の肩を掴む


「落ち着いて。 取りあえず、地面に寝かせて」


「は、はい……」


オロオロしながらも指示を聞いてくれる


「彼、大丈夫なの?」


近づいて、疾風の顔を覗き込む氷雨さん


「ただの酸欠です。 氷雨さん、倉庫の小窓を開けるよう指示してくれません?」


広いとはいえ、さっきまで多数の人が行き来してたから換気はしないといけない


それなりの処置をし、彼は酸欠から復活した