「……そうかもしれない、ですね」
私は何も知らない
いや、はじめから知ろうとはしなかった
「……怖かった、深入りする事が。 どこまで知ればいいのか、分からないから……」
入り込む勇気がない
「時雨さんと氷雨さんの言う通りですね。 実際にまどかの方が信頼されていたんです。
だから、私が裏切り者扱いされて何を言っても皆が彼女の味方になるんですから」
「……へぇ」
「ですが、周りをも味方につけたはずの彼女が雛菊を潰すと目論んでいます。 私は許せないんです。 恩を仇で返す行為をするなんて……」
雛菊はなくなって欲しくない
裏切りられたとはいえ、いい所だったんだから
「……私は居場所が欲しかっただけなんです。 私をみてくれる人達がいてくれるだけでもいいんですよ。 寂しいのは嫌なんです」
私は臆病者だ
強がっても無意味なのはわかってるのに強がってしまう



