強がりな元姫様



「貴方が翼ちゃんね」


「あ、はい」


臣さんはニッコリと笑い私の手を握る


「はじめまして、葛西-カサイ-臣よ。 性別は"男"。 よろしくね」


「……男?」


「自分、女装が趣味なのよ」


違和感の原因が分かった


「さぁ、案内するわ。 総長が待っているもの」


私の手を繋いだまま階段を上り始める


前を行くスラリとした高い背


動く度に長い金髪がサラサラと揺れている


ガチャッ


「総長! 白神の幹部と姫様を連れてきたわよ」


中はキチンと整頓されていて、二人の男が座っていた


「ご苦労、臣」


その一人、総長であろう人が手にしていたカップを置いて立ち上がった


「炎舞総長、木城氷雨-キジョウ ヒサメ-だ。 向こうは時雨-シグレ-。 弟で副総長をしている」


「よろしくー」


アッシュの髪色に氷雨さんは赤を、時雨さんはオレンジを入れている