ドクッドクッ


早鐘のように鼓動が速くなる


気が抜けた瞬間、俺は床に座り込んでいた


三人は驚いた様子を見せる


「……よく、星夜の前で座り込まなかったね」


ただ一人、ラベンダーの髪色の男はクスリと笑う


舜、じゃない


「……誰だ?」


「冴木鸞。 大河、オレの事を舜じゃない、って思ったよね?」


「!?」


「オレはアンタ達の事は知っている。 ここにいるのは伍崎舜と同一人物だからね。 気軽に鸞って呼んでよ」


舜が目の前にいる鸞の事だった


俺が知っている舜はここにはいない


「……お前は何者だ?」


「それは明日のお楽しみ。 後は四人で話しなよ」


またね、と笑顔を向けてから保健室を出ていく


「……どうする?」


「倉庫行くぞ。 全てを話さなければならない」


「そうだね」


「……」


そんな会話をしてから学校を後にし、倉庫に向かう