新崎星夜、白神の総長だと名乗った男が目の前にいる
この空気を感じたのは"あの時以来"
俺は身体がすくみ、ただ震えるしかなかったんだ
「それと、もう一つ……」
そう言って近づいてきた
右手を挙げて、
ヒュッ
`!?´
「……っ」
ピタリと目の前で止まる拳
何が起こったのか理解ができない
「高岸翼は俺らの姫として迎えている。
……姫に手を出したお前には責任を取って貰う」
耳元で囁かれた言葉
周りには聞こえない程の低い声
「それじゃあ明日、雛菊の倉庫に迎えに来る」
俺から離れて保健室のドアに向かう
「行くぞ」
「「「「はい、総長」」」」
声を揃えた四人は、人足先に出て行った
「……翼」
差し出された手を躊躇いながらも掴む翼
俺達に向けた視線をそらして保健室からいなくなった



