「……皆って、どんな関係なの?」


五人の目が私に集まる


緋麻里は知り合いと言っていた


新崎は大事な奴らと言っていた


「んー…仲間なんやけど家族みたいなもんやな」


富田が答えた


「確かに、本音で言い合えるよねー」


「「そうそう」」


五十嵐の言葉に緋麻里と飯島が頷いた


家族…かぁ


「……よかったら高岸も入るか?」


新崎が私を見て言った


その様子は冗談で言ってはないみたいだった


私は首を横に振る


「……いいよ、私は人を信じられないから。 裏切られるんじゃないかと思うと怖いんだよね」


皮肉にも私は経験しているんだ


「……翼ちゃん」


緋麻里の声にハッと我に返った


「ごめんね、緋麻里。 私はもう帰るね」


ここにはいたくない


後ろで何かを叫んでいたが私は振り向く事なく校舎をでてそのまま家に帰った