強がりな元姫様



「……不思議でならないのよ。 散々好き勝手にしているのに、なぜまどかに味方がつくのかって」


まどかは鼻で笑う


「……はぁ? そんなのまどかが愛される存在だからよ、あんたと違ってね」


当然とばかりにいいのけた


「だって、まどかは可愛いもん。 こんな可憐な少女を周りが見捨てるわけないでしょ。 そんな事もわからないのぉー?」


全然、わからない


……しかも、自らを可憐って


「……関係のない子を人質に脅した時点で可憐はないよ。 身心真っ黒な卑怯者……」


パンッ


「……!」


乾いた音に痛みが走る左頬


さっき治まったばかりなのに


「いちいちまどかの逆鱗に触れるよね」


「本当の事を言ったんだけど」


「……っ」


まどかの右手が振り上げられる


私は避けずにジッとまどかを見据えたままだった


「っ、翼!!」


大河が叫んだ瞬間だった