強がりな元姫様



「「!?」」


保健室に入ってきた人物に私と大河は動きを止める


「……あれー? お楽しみの最中だった? ごめんねぇ?」


クスクスと人をバカにするような笑い声をあげるまどか


「んー…でもその様子じゃ、最後までは行かなかったようだね?」


「……まどか」


まどかは大河の顔を見て眉をひそめる


「何泣いてんの? 男のくせに情けないわね」


「……今の言葉は彼氏に対してどうなのかしら? 大体、猫被らなくていいの?」


「……」


まどかは私を睨み付ける


「あんたさ、昨日まで休みだったからって調子乗ってるんじゃないの?」


「乗ってない」


「どぉーかなっ!」


まどかは私に近づいた


「あんたを庇う奴らがいるよね。 一人残らず引き剥がしてやるんだから」


「それは分かりやすいほどの嘘演技でかしら? よくあんなので騙せるよね」


「……っ」


睨み付けたままギリギリと唇を噛み締める