"そらしたら負ける"
そんな思いが頭によぎった
互いに無言で目を合わせてどれくらいたったのだろうか
先に口を開いたのは、大河
「__……俺だけが取り残された気がするんだよ」
俯いて、唇を噛み締める
「アイツ…まどかはやりたい放題で、限界を超えて抜ける奴が後を絶たない」
鸞が今朝に言っていたのを思い出した
「……止めたくても脅しの種があるから、できないのよね?」
「!?」
「話は雛菊の幹部から聞いたわ。 まどかは敵チームの姫で更に二つの組が付いていることも知ってる」
「……っ」
手を拘束していた力が緩んだ隙に振り払い、両手を使って突き飛ばす
突き飛ばされた衝撃で後ろに倒れる大河
私は捲られたシャツとカーディガンを戻して距離をとった
危機は免れたが気を抜く訳にはいかず、警戒した
大河は上体を起こした体制で俯いた



