強がりな元姫様



危険信号が頭の中で鳴り響く


「な、何するの!?」


カーディガン、シャツもろとも上に捲り上げられた


「……」


素肌を撫で回す冷えた指先に身体が震えた


「……っ」


怖い


だが、恐怖を全面に出す事が出来なかった


その間にも行為が進んでいく


廊下は静かで誰も通る気配も感じない


脱するには自分の力で何とかしなければならない


「……っ、大河」


この言葉にかけようか


どうなるかなんてわからないけど……


フッと息を吐いて、目を閉じた


抵抗するのもやめた


「……私を抱けば満足するのかしら? なら、好きにしなさい。 誰にも口外なんてしないわ。 ここだけの秘密としましょうか」


目を開き、対抗するようにジッと見据えた


力の差はあるけど負けたくない


「……」


私が言った事に何の反応も示す様子はない


ジッと近い距離で目を合わせられる