強がりな元姫様



「これから? 何かあったっけ?」


「翡麻里、全校集会ですよ! 対して長くもない理事長のありがたくないお言葉を聞くんです」


……緋麻里、さりげに毒付いてない?


「……いつも通りでいいんだよ。 無理して表情を変える意味はないから」


「は、はいっ」


呆れながらに星夜に言われてピンッと背を伸ばして保が返事する


「……理事長の話は聞きに行かなければならないし、翼には「いってらっしゃい。 私はこの顔じゃ、体育館に行けないわ」」


間違いなく、笑いの的だ


「何かあった時の為に緋麻里も付かせるが」


「結構よ。 何だか、一人で考えたいの」


「…………わかった。 だが、何かあったらすぐに電話でもしろよ?」


「……うん」


星夜は何か言おうとしたが、口を閉じてやめる


「……終わったら、皆で来るから」


「ん」


保健室を出る皆の後ろ姿を見送った