ズキリ、と左頬に痛みが走る
「……う″」
私は大河に殴られた
「気安く俺の名前を呼ぶな。 クソ女」
襟首を掴まれ、無理矢理立たされ、掴んだ手に力が入り首が締められる
「……っ、た「やめろ! 大河!!」」
私の声を遮って第三者が止めにはいる
次々と道を明けていく生徒の間を通るのは翔太
「まどかに触れる手を汚すんじゃねぇよ」
「……」
大河は無言で手を離し、私は地面に座り込んだ
咳き込む私を冷ややかに見下ろし校舎に入っていく
翔太は後を追いかけた
「……プッ、ざまぁないね」
「当然の結果だよ」
生徒が私を嘲笑いながら校舎に入って行った
……コイツらは知るはずがないんだ
顔を両手で覆っているまどかは肩を小刻みに震わすほど笑っている
周りは泣いていると思い込み、労っていた
分かっていたけど悲しかった



