強がりな元姫様



「……お前、ここでの性格を忘れてねぇよな?」


「勿論、忘れて、な……」


言いかけて、ジッと一定の方向を見る


`きゃぁああああっ!!´


一際大きな女子の声援


誰だかは見なくてもわかる


「まどか様! 一段と可愛くなりましたね」


「年が明けてからもまどか様を見れるなんて幸せですぅー!」


「大河様とラブラブで羨ましいです!!」


周りから言われて、満更でもなさそうなまどか


まどかの肩に手を回して、辺りを見渡す大河


偽りの″恋人同士″を演じていた


「雛菊さ、あれから何人か抜けたらしいよ」


鸞はパーカーを軽くずらして大河を見る


「……まどかに追い込まれてる、ね」


「……」


星夜は鸞に肩を組まれた状態のままで大河に視線を向ける


まどかは何人かの女子と楽しそうに話しているが、何かを探しているかのように目だけを動かしている