「あら理知的でいいじゃない」
晴羅さんは否定する素振りを見せずにニヤリと笑う
「よくねぇよ! 顔が隠れてた方が落ち着いてたのに……」
「え、あの″地味″で″ダサい″髪型でつーちゃんの隣を歩いてたの!?」
「……!」
地味でダサい、の部分を強調して言われ、星夜はぐっと押し黙った
「……やっぱり、ダサいか?」
「うん、ダサい。 ダサすぎて笑えないわ」
「……」
今のは自分で自分の傷口を広げる行為だとわかる
「安心なさい。 オネーサマは弟の為を思ってやったんだから」
「だからって人様の部屋に無断で入ってくるなよ」
星夜は冷ややかにキメ顔をしている晴羅さんを見ていた
「……以後気を付けるわ。 ほら、遅刻するよ」
「あぁ、行ってくる」
「行ってきます」
「いってらっしゃい!」
晴羅さんに見送られて玄関を出た