強がりな元姫様



「今だってそうだよ! 他の子達は来るのに僕だけは来てくれない!! さ、寂しいよおっ…パパァ、ママァ!!」


うわぁぁん、と声をあげて泣き出した


子どもらしさが学君に戻っていた


「よく言ったな。 エライぞ」


「う、うぅーっ!」


星夜に抱きついて泣き続けた


暫くして、泣き疲れた学君は星夜に抱きついたまま眠りについた


学君をそっとベッドに寝かして、布団をかける


「ごめんね。 私達はもう行かなきゃ」


私はそっと頭を撫でてから星夜と共に部屋を出た


部屋の前で塁と二人の男女が立っていた


「……学君のご両親だよ」


塁が紹介し、学君の両親は頭を下げる


母親の方は泣いていた


「私は、母親失格ですね。 学に寂しい思いをずっとさせてしまいました」


「まだ、五歳だもんな。 小さい身体に沢山の負担をかけてしまっていたんだな」


父親は申し訳なさそうにうなだれていた