「でも…どうせ言っても聞いてくれませんよ。 聞いてくれなかったら言っても意味ないですよ!」
ポロポロと目から流れ出す涙
「だったらそれを俺に言ってくれないか? 見ず知らずの奴に言うのは気が引けると思うが、言わないよりはましだ」
自分を指して星夜はニッと笑う
「実は仲間というのは上部だけでは付き合いきれないんだ。 お互いに言い合えてはじめて団結する事ができる。 ……じゃあ、拳を使ってここを狙ってみな?」
左の掌を学君にさらす
「……」
ペチンッ
小さな手が掌に当たる
何回も繰り返す内に少しずつ秘めていたものが表に出てきた
「……僕に構って欲しい。 だけど、パパとママは僕より仕事が大事なんだ。 運動会もお遊戯会も絶対に見に来てくれるって言ったのに結局来なかったんだ!
が、頑張っ…たのに! かけっこも一位だった…お遊戯会も主役だったのに!! なんで? 僕の事が嫌いなの!?」
ボロボロと流れながらも止まる事はなかった



