「クリスマスが修了式で、周りの子達は誰かを誘っていたわ。 私は一回もないけどね。 家ではお母さんとお父さんが帰ってくるまで準備していた。
タイミングよく帰ってくるのよ。 サンタの格好をしたお父さんが高いケーキを買ってね。 それが、唯一のご馳走でクリスマスプレゼントだった」
ケーキのいいところを私が食べていた
懐かしいけど、味とかは今は覚えていない
「少なくとも私は学君と同じ頃はひねくれてなかったのは確かね」
「……僕はひねくれてない」
ムッと不機嫌にむくれた
「そこがひねくれてるわ」
眉を寄せた間を指で触る
「子どもなら子どもらしくわがままとか言ってもいいのよ。 限度はあるけどね」
「……どうせわがまま言ったって迷惑だよ」
額を手で押さえて悲しそうな顔で俯く
「内に秘めている物を言ってみないと分からないでしょ?」
学君の頭に手を乗せてゆっくりと撫でた



