「では、新崎さん、高岸さんと呼びます。 ところで、お二人は戻らなくていいんですか?」
「いいんだよ。 他の皆が盛り上げているから」
「そうですか。 随分と信頼なさっているようで」
「当たり前だ。 かげがえのない大事な仲間だ」
「仲間?」
学君は本を握り締めてキッと星夜を睨み付けた
「仲間だなんて馬鹿らしい。 友達も家族も同じです。 約束したのに平気で破る、そんなのが仲間とでも友達とでも家族とでも同様に言えますか!?」
悲しみを裏に隠して怒りを表に現した表情
学君は何も信じていない
いや、信じようとしていない
何も求めないだなんて、小さな身体には早すぎる
「……少なくとも私はサンタを学君の年頃までは信じていたわ。 だって…サンタはお父さんだったもの」
二人の視線が私に向けられる
家が貧しかった頃、まともではなかったけど楽しかったのは覚えている



