強がりな元姫様



よく見ると彼が読んでいる本は細かい字で書かれてある小説


「……それ、面白い?」


「えぇ、ミステリーですが重くはないです」


この子、本当に五歳児?


キッパリと言うし、子どもらしさを感じない


「学君、プレゼントはここに置いとくからね」


「……」


パタン、と本を閉じてジッと星夜を見る


「全くこんなのがサンタだなんて…皆さんは信じているんですよね。 馬鹿らしくないですか? サンタなんていないのに」


「「……」」


星夜と見合わせた


「そこまで、ハッキリ言われてもな……」


「……そうね。 お互いに素で話そうかしら」


学君と関わろうと、丸イスに座った


「……何ですか?」


少し警戒している様子で私と星夜を交互に見ていた


「まぁ、分かっていると思うが俺達はサンタ役だ。 俺は新崎星夜」


「私は高岸翼。 好きなように呼んで」


とりあえず自己紹介だけはと思う