強がりな元姫様



「俺が行くから。 翼はここにいてくれ」


星夜が袋を取り肩にかける


「一つだけだから、大丈夫だよ……」


「気にしなくていい」


そう言われても、うんとか言えるわけない


「……どうせなら、二人で行けば。 サンタの出番は終わりでしょ?」


「「……」」


鸞に言葉に従う事にした


エレベーターを使って二階から三階に上がる


「ガク君? マナブ君?」


「マナブ、な」


部屋の入り口にあるプレートの中に[持田学]とあった


多分、何らかの理由で行けなかったんだろうか


コンコンッ


「こんばんは、学君」


星夜が笑顔で中に入り、私は後に続く


学君はチラッとこちらを見ただけで後は本に視線を向けたまま、


「あぁ、プレゼントですか。 要らなかったのに強要されましてね、適当に図鑑って書いたんですよ。 どこかにおいてってください」


五歳児とは思えぬ発言をした