強がりな元姫様



ここが薄暗くてよかった


真っ赤になった顔なんて見られたくないから


「……俺達も行くか」


「……うん」


プレゼントが入った袋を持つ


ホールに出ると、喝采と共にキラキラと瞳を輝かせる子ども達


「はーい、順番に並んでねー!」


塁の言葉を合図に一斉に並びだした


名前を呼んで一人一人にプレゼントを渡していく


受け取った時の嬉しそうな顔を見て、なんだか私も嬉しくなってきた


「――はい」


最後に端の長椅子に座っていた遥に渡す


「わ、わたしにもいいんですか?」


驚いたようにプレゼントを受け取った


「いいのよ。 それに……」


遥の耳元で一言呟くと、クスッと笑った


「フフフ、ありがとうございます」


可愛らしい笑顔を浮かべた


これで終わりかと言うとそうではない


一つだけ袋の中にプレゼントがあったのだ