強がりな元姫様



「そうだよ。 楽しそうだけど、何話してたのかな?」


塁は子どもと同じ目線の高さにあわせてしゃがんだ


子ども達は互いに目をあわせてニッコリと笑い


「「「「「ヒミツー!」」」」」


と、無邪気に声を揃えて答えた


「そっかぁー…ヒミツなのか」


残念そうに言って一人一人の頭を撫でてから立ち上がる


手招きされて中に続いた


「こちらが、会わせたい人だよ」


カーテンで顔が見えなかったが近づく度に誰だかが明らかになった


誰かがわかった瞬間、一番に反応したのは先程まで落ち込んでいた翔太


「――遥?」


声を震わせ、呆然と立ち尽くす


「あれ、皆さん、どうしたんですか?」


キョトンとして、首を傾げる


「……ほ、本当に遥、なのか?」


「何ですか? 翔太君は妹の顔を忘れちゃったんですか?」


遥はおかしそうに小さく笑う