強がりな元姫様



「翼ちゃん、どうしたの?」


「な、何でも…ないです。 行ってきます」


「行ってらっしゃーい」


夜空さんと晴羅さんに見送られる


家を出た後は、星夜はなぜか少し前を歩く


会話とか出来ない


「……」


なぜかわからないけど、悲しかった


いつも食事の後に部屋に向かう時は一緒だったのに、今日は星夜が先に行くし、今だって私を避けてるみたい


……寂しい


静かに流れる涙を気づかれないように袖で拭った











星夜との間にできた距離が埋めまれないまま、イベント会場となる【五十嵐総合病院】に着いた


そこには緋麻里、翡麻里、塁、颯一


さらに鸞、浩輔だけじゃなく翔太もいた


「塁」


星夜は塁に声をかけて、その場から離れて行った


「翼ちゃん、おはようございます。 今日は楽しみですね」


緋麻里が笑顔で近づいてきた