強がりな元姫様



「あなた、そろそろ時間じゃないかしら」


「あぁ、本当だ。 それじゃ行ってくるよ」


「行ってらっしゃい」


朝陽さんが夜空さんと抱き合ってから部屋を出ていった


ふと見えた横顔が嬉しそうだった


「翼、本当にいいのか?」


「……正直、モデルとかよくわからないし。 私なんかでいいのかな……?」


「なんかじゃないよ! つーちゃんなら大賛成!」


「…………頑張ります」


その後、晴羅さんから撮影日の話を聞いた


プロジェクド開始は四月、それまでは慣れるためにスタジオに顔だしする事となった


私はあくまで晴羅さんの代理


やれる事はやろうと思った


その間、星夜は何かを考えるかのように眉を寄せて顔をそらしていた


「あら、もう少しで待ち合わせの時間になるわよ?」


「!? 翼、急ぐぞ!!」


夜空さんに言われ、星夜は一足先に部屋を出ていった


……あれ?


すぐに違和感を感じた