強がりな元姫様



「雛菊との同盟の話が出て、組むべきか否かを調べるために名前と性格を変えて近づいた。

前に思い入れはない、って言ったけど。 だけど本当は、楽しかった。 それには偽りはない」


オレは苦笑いをする


「そうか…」


翔太はそれだけ言って歩き出す


……嫌うのは当然だよな


「……俺は、たとえスパイ目的の為だったとしても[舜]は仲間だと思っている」


「え」


背を向けたまま翔太は言った事に理解出来なかった


「俺はお前を受け入れる。 もう、あんな悲劇を二度も起こしたくない。 だから、冴木は炎舞として雛菊をみてくれないか?」


振り向いて笑顔で言った翔太は何かが吹っ切れたようだ


「……つまり、同盟を組みたいと?」


「いや…俺達がやった事は許されない。 だからこそ、これからどのようにして変わっていくかを見てほしい」


翔太の言葉に迷いなんて見えなかった