強がりな元姫様



時間が経ち、オレと翔太は夜道を歩いていた


外灯がポツポツとあるだけで薄暗い


翼と星夜達とは反対方向だからな


「……あ。 結局、あいつらが誰だかわからないままだ」


何かを思い出したかのように翔太は声をあげる


「翔太。 あいつらの正体の前に、オレが隠していた事を話す」


翔太には全てを話そうと思った


「……?」


立ち止まったオレに首をかしげて、翔太が振り向く


[伍崎舜]は、ここでさよならだ


「……翔太が知っている[舜]は、オレの一つの人格に過ぎないんだ。 本当の名は、[冴木鸞]…炎舞という、暴走族の幹部なんだ」


「……冴木鸞? 炎舞って、あの!?」


翔太は混乱しているようだった


「世界No.1のチームだよ。 俺は、総長に頼まれて潜入してた」


「……マジかよ。 舜…いや、冴木は…スパイだったのか」


オレは縦に頷いた